ネタバレを含むざっくりとした相関図&あらすじ
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那須田の言葉で婚活→終活に思考をシフトチェンジした鳴海。そこで自分の終活より先に親の終活が必要であることに気づくが上手く説明できる気がしなくて行動に移せない。そんな中、鳴海に興味を持つ那須田が共通の話題を持ちたくてついた嘘「男性アイドル好きなんです」から二人はお茶をすることに。「どんな人が孤独死するのか?」の話から「なぜ、気になったことをすぐ確認しないのか?のろいんですよ」とグサグサ刺され、憤る。だが、自分の意識を変えたこの男の煽りスキルを使って、親に終活を進めさせようと計画。もし、妻に先立たれても自分の老後は未婚の娘がこの家でみるから安泰という父に対して那須田の煽りスキルが発動。しょげかえる父。そこにヒップホップダンススクール帰りの母登場。終活について話そうとする鳴海に「お父さんに余計な情報(正しく、まともな情報)教えないで」とくぎを刺す母に困惑するのであった。
那須田の人物像
人生に楽しみって必要?
「つまらない」とよく言われる。特におじさん連中に。でも雨風防げる家があって空腹を満たすことができ、みすぼらしくない程度の服を着られたら仕事なんてなんだっていい。という考え方。なんというか達観している。ゆえに鳴海の評価は「全部俯瞰して見れてますよ」的な煽り男。
鳴海の実家の外観を見た時の「実家太かったんですね」という言葉や、鳴海の母親が専業主婦、かつ奨学金無しで大学へ行ったことに驚いていることから彼の幼少期は生活が苦しい方だったのかなと想像。
必要最低限の生活が保障されることが「幸運」であることを知っているからの前述の考え方なのかと思いました。
鳴海に対する興味
タワマンを購入し、アイドルを推す鳴海に対して「人生設計という文字がない」と驚く那須田。しかし、毎日毎日楽しそうな鳴海から目が離せなくなる。婚活を始めた鳴海に年上男との結婚をやめるように煽り散らかした後に、孤独死の本で「共通の話題見つけた」→「山口さんのこと気になってしかたがない」に乙女思考!と笑いました。このドラマの良いところって、鳴海が楽しそうなことなんですよね。ほかの同僚も「山口さん楽しそう」って言っているし。そういう人って周りを明るくする~。だから彼が鳴海に惹かれていくのがよくわかります。
孤独死しない人とする人
「しかるべき場所に助けて」と言える人は孤独死しない。そのためには相談する「場所」を知っていないといけない。知らない情報弱者や自分の困窮を周りに知られなくないと隠す人が孤独死する。
希望がある人は孤独死しない。希望がない人は何もかもどうでもよくなり、ご飯食べない、お風呂入らない、排せつまで横着するようになる。例えば推しがいる場合、会いに行くためにおしゃれしたいし、きれいな姿でいたいと身だしなみを気にする。
感想
話のテンポがよく、笑いながら見ることができましたが、取り扱っている内容はめっちゃ真面目。同僚の母親介護の話で何もしない兄はたまにきて、「母さん、大丈夫?」って顔をなでる→顔なでるなら、うん〇拭いてやれ!や介護のために、男の仕事は休めないが、女の仕事は休めると思われてること。介護自体が女の仕事と思われていること。あるあるですよね。父親は娘が一人であることを心配していますが、もし自分が一人になったら面倒は当然未婚の娘が見てくれると思い込んでいる。それに対する那須田の「専業主婦歴の長いお母さんと同等の家事が鳴海にできると思うのか?」にはっとする父。そこまでの想像ができていない。想像できてないことを知るって大事。先にこれがわかってないと、実際になった時に「母さんはできてたぞ」になって、父は怒るし、鳴海との関係が悪化すると虐待やネグレストにつながる。「気づくことの大切さ」を教えてくれる、教育ドラマである。さすが、NHK(笑)。
物語の中盤で、親の終活作業に取り掛かれない鳴海は「若いあんたにはわからないかもしれないが、私の残りの人生は気の重いイベントしかない」と考えます。気の重いことは後回しにしてしまうから。若い頃は楽しい、希望があるイベントが並んでた彼女の回想。でもね、那須田には「楽しい」イベントがおそらく想像できてないんですよね。
那須田は鳴海を「素直でいい子です」と評した。おっしゃる通り、それが彼女の美点です。煽られてムカついてもちゃんと話を聞いて、素直に受け取る。今現在、鳴海が那須田に気づきを与えられる展開が続いていますが、那須田にも「人生に楽しいって必要!」って気づきが与えられるといいなぁと思ったのでした。
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