第5話「ティエンと進」

東京サラダボウル

ネタバレを含むざっくりとしたあらすじ

介護施設で入居者のタブレットがケアスタッフのロッカーから発見されるという事件が起こる。鴻田麻里(奈緒)は窃盗疑惑をかけられたベトナム人のケアスタッフ・ティエン(Nguyen Truong Khang)の取り調べを行うが、ティエンは黙秘。ベトナム語通訳人の今井もみじ(武田玲奈)は、ティエンの体に痣があることを発見。鴻田はティエンが介護施設で暴力を振るわれていたのでは?と施設にて聞き込みを開始する。どうやら、ティエンのロッカーからタブレットを発見した職員は指導という名目であたりが強い男性で、かつその場にティエンが「友達」と呼んでいた人物(早川進:黒崎煌代)がいたようで。結局、ティエンを問い詰めようとする男性職員に対して、進が落ち着かせようとした際に「お前みたいな出来損ないが、一番にこいつらから仕事を取られるんだぞ」と侮辱。それに対して怒ったティエンが男性職員の鼻を殴り、傷をおったのでした。んでもって、タブレットを隠したのはメンタルダークサイドに落ちた進だったという。進を許すティエンに対して「あなたにとって彼がどんな存在なのか、今度は間違えないで。」と諭す鴻田なのでした。

印象に残ったシーン

ティエンに鼻を殴られた男性に正論パンチを繰り出す今井もみじ

今回はベトナム語通訳の今井さん活躍回でした。男性は取り調べて「外国人は日本で働かせてやってるんだ!」と吠えます。帰りの際、今井さんが伝えます。「日本で働かせてやっているのではなく、働いてもらってるんです。」と。「日本という国は人口が減って、労働力が減って、日本人だけではこの国はもうもうたない。外国の方を敵視したところであなたの居場所は守れない。」と。はい、きっついですね。暴力的な強めの態度は精神の防御で、敵視することで自分を正当化しようとしている。そのこと取り調べをしている刑事も明らかに感じてて、でも特に何も言わないんです。言っても意味ない、伝わらないと思っているから。でも今井さんは言う。正論パンチを。で、最後の「せめて受け止めなきゃ。あなたが苦しくなるだけです。」と。面倒な奴は関わらないにこしたことはないと思う。でも彼女は伝えることを選んだ。それは通訳人として、人と人をつなぐ者として。彼女もまた真摯に仕事をしている人なんだと思いました。

感想

「ティエン」は日本語で「進」という意味。だからティエンは進に対して「同じですね」と言った。進はそれをひとりぼっちという意味だととらえた。進は家族と疎遠で、そんなに親しい友達もいない。外国から一人で来ているティエンと同じだと。しかし、ティエンは故郷に家族も親しい友人もいる。自分は友達と思われていたのではなく、同情されていたんだ。そんなに大切な人たちがいるなら、故郷に帰ればいいじゃないか?でタブレットをロッカーに入れてしまう。ティエンもまた、自分が可哀そうだから同情で優しくしてくれていると思う。でも対等になりたい。友達になりたいから。だから進を侮辱した職員を殴り、友達を守ろうとした。この二人が今後どうなっていくのか、わかりません。でも進よ、今度は間違えるなよと思ったのでした。

今回、鴻田パワーにより心の壁が薄れだした有木野が今井さんを励ましたりして「あんた、そんなこと言えるようになったのか?」とびっくり。まぁ周りもびっくりしますよね。成長ではなく、変化。ほんと周りの環境って大事だなぁとしみじみ思うのでした。

今までは有木野の情報がラストにどっと公開されてきましたが、今回は鴻田さんの涙で次回にひっぱります。この涙の意味は?次回も楽しみです。

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